テレビ局における芸能ニュースの意味合い

ワイドショーや夕方の情報番組などでは芸能ニュースが取り上げられることがあります。今日はこんなことがありましたという中にサラッと入っており、興味を持つ人も少なくありません。しかし、テレビ局からしたら芸能ニュースに対する狙いというものがあります。実際に芸能ニュースを細かく見ていくと、ほとんどの場合は物議を醸すようなものではなく、新商品の発表会、映画のPRなどを兼ねて記者会見を行い、様々な質問を繰り出し、その中で使うことのできるコメントを使っていくというようなものになっています。そのため、どの局でもあまり変わらないようなニュースが流れることもあります。

こうした背景には視聴率を少しでもつなげたいという思惑があります。たいていの場合は今日のラインナップとして見出しを見せておき、食いつきのよさそうなタイトルにし、一応そこまでは見ておこうという気にさせます。実際は大したことを話していなかったにしても、それを見たところで視聴者もさほど気にはしておらず、多少の誇張は咎められないのが実情です。こうしたのを利用し、毎日のように芸能ニュースは放送され、物議を醸しそうなものだけ、コメンテーターと話し合うような感じになっています。それが分かれば、見方も変わり、より面白く感じるようになっていきます。

一方、最近はスポーツ新聞がテレビで流された芸能ニュースを書き起こすようなことをしています。そのため、物議を醸す発言がコメンテーターから出たとしてもスポーツ新聞がそれを取り上げ、ネットの記事にしてしまえば、それを見ることができるため、わざわざテレビでそれらを見る必要はないということも言えます。何も取り上げられない時は普通のことしか言わなかったということになりますが、取り上げられる内容によっては普通のことを発言したとしてもネットニュースになるなど、下手をすれば誤解が誤解を生むような状況でもあるため、文脈が切り取られることのないようにしないといけません。

興味関心のある内容を取り上げ、それを面白おかしく扱うのが以前から行われているスタンスでしたが、最近は企業のPRを兼ねて行うケースが増えており、その内容も段々と変わりつつあります。企業側としては下手なことを聞かれても困るため、あの手この手で質問をかわそうと必死です。本来であればその攻防が一番楽しいのですが、それをやると企業側に目を付けられるため、放送されないのが実情です。