年々変化する芸能ニュースの質と中身

テレビが当たり前ではない時代、映画館で映画ニュースという形で芸能ニュースが出た時がありました。当然ながら速報性があまりなく、旬な話題というものがなかなか打ち出せなかったため、この時期にこんなことがあったというような話題が登場するようになっており、どちらかといえばハッピーな話題が多かったのに対し、段々とテレビが普及するようになってから芸能ニュースの中身、そして質が段々と落ち始めていくのがわかります。特にその落ち方は21世紀に入ってから相当なものへとなっていきます。
週刊誌が登場し、週刊誌が様々な芸能ニュースを展開し、スキャンダルなども多く出ました。また、ワイドショーも一般的になり、朝からかなり過激な報道をするのが当たり前であり、今よりもかなり生々しい話題が多かったのも特徴です。1980年代からは写真週刊誌が隆盛を極めます。写真週刊誌がたくさんあった時代、相当過激な雑誌が多く、アイドルが自殺をしたときは、その姿を写真に収め、雑誌に掲載するなど、今の時代であればほぼ間違いなくペナルティを受けるであろう行為を平気でしており、その点だけを考えれば今の方がいいと言えます。
残念なことに、この時代から特定の事務所の話題には触れないという忖度めいたものが雑誌だけでなく、テレビ業界でも席巻することになります。特定の事務所のスキャンダルには全く触れられず、事件を起こしても表現をできるだけ柔らかくして犯罪者ではないようにすることも行われ、その表現があまりに滑稽なものとなり、今の今まで語られるケースもあります。結果として、視聴者との乖離を生み、芸能ニュースそのものの信頼度の低下につながる時代を招きます。
携帯電話、スマートフォンが全盛の時代を迎え、誰もがカメラマンとなり、密会の現場を撮影するなど、速報性がかなり問われる時代を迎えています。時にはホテルの従業員が仕事中に盗撮めいた行為をし、それを公表してバッシングを受けるということも起きるなど、芸能ニュースの中身、質は大きく変化しています。これらの中身、質はその時々で流行したメディアなどで変化していくことからも、どのようなメディアが登場するかで今後も変わることとなりそうです。
とはいえ、いつの時代も芸能人のスキャンダルは面白く、それがどういう結論を迎えようとも最初だけ楽しみ、後はどうでもよくなるという、子供のおもちゃのような扱いになっているのは今も昔も同じです。